債権回収に関する基礎知識や事例
Basic knowledge and Examples
■債権回収の基礎知識
一旦不払いに陥った債権を実際に回収することができるのは,「支払能力はあるが,支払意思がない」という場合に限られますから,弁護士に債権回収を依頼しても,回収の実が挙がらない場合も少なくありません。
この観点からは,債権回収の可否は,債務者の隠し財産を含む支払能力の有無の見極めが鍵を握っているといわざるを得ません。しかしながら,情報化が高度に進展している現代社会にあっても,個人・企業を問わず資産の探知は生易しいものではありません。
このため,金銭債権の回収のリスクの低減化は,取引開始の際の相手方=債務者の信用調査に始まり,取引継続中における債務者の信用状況・経営状況の観察から,問題ありと判断した場合に,果断に債権回収の準備段階というべき保全措置や回収の実行に出ることができる体制づくりと,その実践が不可欠です。これはむずかしいことではなく,信用調査会社のレポートに頼ることなく,取引の相手方の担当者との雑談での話題,事業所におけるモノ,クルマ,ヒトとその動き,行きつけの飲食店での噂話といった営業マンの見聞きした情報や,取引内容それ自体から,状況の変化を見抜くことは容易な場合が多いのです。
そして,このような変化を見抜くことができればこそ,取引条件を見直したり,新たな担保を求めたり,更には取引関係を清算して完全な回収モードに入ることになるのです。
とはいうものの,取引の相手方に関する日常的な情報収集と分析により,信用状況・経営状況の悪化を認識できるような場合でも,債権の保全や回収の機会を失してしまうことも多いということも,また現実の問題として多々あります。
かかる現実は,入手した情報を集積して分析した結果を債権管理に活かす体制がなかったり,あっても機能していなかったりすることが原因となっていることもありますが,分析結果から取引の相手先の信用状況・経営状況の悪化を認識した場合に,誰が判断を下すのかという役割が定まっていなかったり,判断を下すべき役割の人が躊躇してしまうことが原因です。
例えば,売掛先から,それまで現金決済の手形決済への切り替え(特にいわゆる自振りの手形)や支払期日のジャンプを申し入れられた場合,これは「黄信号」から「赤信号」に変わり始めたことに他ならないのですが,危機意識を感じつつも取引先の倒産による売上の減少と売掛金の貸倒れを恐れて,「救済」の美名の下,漫然とこれに応じて傷口を大きくする例は数多あります。
しかしながら,債権回収とは,一言でいえば,「見切り千両」と「抜け駆け」の世界なのです。
このことが何を意味するかというと,債権回収の準備段階である保全措置,実際の回収或いは損切りの決断と実行の時機を失しないためには,第三者的な視点を持つと共に,専門的な知識と経験を有する弁護士のドライな判断に委ねることが極めて有効であるということでもあります。
また,債権の保全・回収の手法としては,先ずは取引上の力関係を利用したり,相手方=債務者の法的な弱点を突く等によって圧力を加え,任意の弁済を促したり,優先的に担保を提供させたりする他,破産や仮差押えといった法的な手続を申し立てたうえ,その申立ての取下げを条件に任意の弁済をさせるというかなりえげつないやり方もあるのですが,これらは,弁護士にしかなし得ないものと言えます。
当事務所では,いたずらに費用のかさむ法的な手続を先行させる前に,各種の手法を駆使して支払能力の有無を判定し,実際に債権回収の手続に入る価値があるか否かの判定から始め,回収が不能であることが判明した場合には,法人税等の節税のための貸倒れ損金処理に必要な手続等を含め,真に依頼者の方の利益となる対応を提案致します。
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弁護士紹介
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三堀 清
(みほり きよし)
弁護士の存在意義は、法律的紛争の予防・回避と、
発生した紛争の早期解決の実を挙げることに尽きます。
私どもは、一般民事・刑事事件の分野並び企業法務及び取引に関する分野での経験に裏打ちされた専門性と新しい法律問題にも斬新な手法をもって挑戦する柔軟性を武器に、迅速な対応により、依頼者の方々に結果をもってお応えすることを使命として、日々実務を通じた研鑽を進めております。
- 所属
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- 第二東京弁護士会
- 経歴
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- 昭和32年 生まれ
- 昭和56年 早稲田大学法学部卒業
- 昭和60年 司法試験合格平成8年
- 早稲田大学大学院法学研究科(企業法務専攻)修了
- 平成9年 港区新橋に三堀法律事務所設立
- 平成14年 三洋投信委託㈱(現プラザアセットマネジメント㈱)監査役就任(平成16年まで)
- 平成15年 千代田区有楽町に事務所を移転
- 平成17年 ㈱ニチリョク監査役就任(平成29年まで)
- 令和6年 三堀法律事務所が丸ビル綜合法律事務所と合併
事務所概要
Office Overview
| 名称 | 丸ビル綜合法律事務所 |
|---|---|
| 所在地 | 〒100-6311 東京都千代田区丸の内2-4-1 丸の内ビルディング11階1111区 |
| TEL/FAX | TEL:03-3201-3604 / FAX:03-6206-3392 |
| 受付時間 | 平日 9:00~18:00(事前予約で時間外も対応可能です) |
| 定休日 | 土日祝、年末年始(事前予約で休日も対応可能です) |
| アクセス | 東京駅,二重橋前駅から徒歩2分 |
