顧問弁護士の変更は可能?注意点などを併せて紹介
会社の法的リスクを管理するうえで、顧問弁護士との関係はとても重要です。
顧問弁護士を変更したいとお考えの方もいらっしゃるかもしれません。
今回は、顧問弁護士の変更が可能かどうかや、顧問弁護士を変えるときの注意点などについて解説します。
顧問弁護士の変更は可能なのか?
結論から申し上げますと、顧問弁護士の変更はいつでも可能です。
顧問弁護士の変更の前提として、顧問契約は民法上の委任契約に該当するため、双方は自由に契約の解除を申し出ることができるからです。
顧問弁護士を変更する場面としては、以下のようなケースが多く見受けられます。
- 経営者の代替わり
- 会社の事業拡大
- 顧問弁護士と相性が合わない/信頼関係が築けない
- 連絡が取りにくい/報告がない
- 弁護士費用の見直し
顧問弁護士を変更する際の注意点
顧問弁護士を変更する際には、次のことに注意してください。
解約予告期間が定められていないか
顧問契約の解約においてトラブルになりやすいのが、解約予告期間の規定です。
多くの契約書では、契約終了を申し出る場合、最低でも1〜3か月前までに書面で通知することが義務付けられています。
予告期間を厳守せずに中途解約を行うと、契約の内容によっては、残存期間分の顧問料相当額が違約金として請求される可能性があるため、注意してください。
顧問契約解約後も継続する個別案件がないか
顧問契約を解約しても、弁護士が受任しているすべての業務が自動的に終了するわけではありません。
特に、訴訟案件や複雑な契約交渉など、継続中の個別案件を抱えている場合は、顧問契約とは別に委任関係が残るのが寧ろ通常です。
解約後もそれらの案件を継続して担当してもらうのか、それとも新しい弁護士へ引き継ぐのかという方針を明確にする必要があります。
継続案件を無視して顧問契約だけを終了させると、会社に損失を与えるリスクにつながるため、注意してください。
引き継ぎ漏れがないか
前任者から新任の弁護士へ個別案件に関する業務を引き継ぐ際は、これまでの法的アドバイスの内容や、訴訟の経過を示す資料など、すべての記録が漏れなく引き継がれているか注意が必要です。
特に、過去の合意内容などが引き継がれていないと、新しい弁護士は一貫性のある主張ができず、問題が発生した際に自社が不利な立場に追い込まれるリスクがあります。
顧問弁護士を変更する流れ
トラブルを避け、顧問弁護士の変更をスムーズに進めるための流れは、以下の通りです。
現在の顧問契約を精査する
顧問弁護士の変更を考え始めたら、まず現在の顧問契約書を精査しましょう。
特に、何ヶ月前までに契約解除を予告する必要があるかや、自動更新の条件がどうなっているかを確認することが大切です。
同時に、現在進めている案件について整理しておくと、後の引き継ぎがスムーズに進められます。
新しい顧問弁護士を選ぶ
現在の顧問契約を解除する前に、新しく依頼する弁護士を選んでおくことが賢明です。
このときの弁護士の見つけ方としては、信頼できる経営者仲間からの紹介、法務専門のポータルサイト、あるいは弁護士会の検索機能などの活用が挙げられます。
現在の顧問弁護士に対して契約解約を申し入れる
新任の弁護士が確定し、引き受けの承諾が得られた段階で、現在の顧問弁護士に対して解約通知書を郵送します。
これにより、契約解約の申し入れが完了します。
解約日に向けて、顧問弁護士に預けていた資料については返却を求めましょう。
新しい顧問弁護士との契約を締結する
現在の顧問弁護士との契約終了に併せて、新しい弁護士と顧問契約を締結します。
前任者から返却された資料に基づき、案件の進捗や背景を新しい弁護士へ詳しく共有することが重要です。
新しい顧問弁護士を選ぶ際のポイント
新しい顧問弁護士を選定する際のポイントとして、次のことが挙げられます。
迅速に対応するか
企業経営はスピードが命です。
極論すれば、弁護士と顧問契約を結ぶ意味は、日常的な相談や、発生したトラブルについてQuick Responseが得られるということに尽きます。
そして、このQuick Responseは、顧問先の企業の実態を知悉した顧問弁護士でなければ期待できないのです。
また、企業経営上のトラブルは、突発的なものであろうと、慢性的な問題が表面化したものであろうと、いずれも迅速な対応が不可欠です。
このことは、いたずらにトラブルの解決を急ぐということではなく、トラブルの本質を見極めて有効な対処方法を決定しかつ実行すること~トラブルの現状から原因を探り、将来的な影響まで見据えたうえで、外科的な対策(トラブルの発生箇所=患部を排除すること。)、内科的な対策(トラブルの発生原因を探り、その段階的な是正を図ること。)又は経過観察(事態の変化に対応できる体制下で管理すること。)のいずれかを選択して実行すること~が必要であるということです。
そして、このような適切かつ迅速な対応を可能にするためにこそ、弁護士と顧問契約を結ぶ意味があるのです。
そのため、顧問弁護士が迅速に対応してくれるかどうかは、最も重要なポイントです。
企業法務或いは業界に精通しているか
法律事務所のウェブサイトや面談などを通して、企業法務に精通しているかどうかを確認する必要があります。概ね特定の業界やビジネスに関する業務分野に特化している弁護士は、一般的に企業法務にかなり精通しています。
専門知識が豊富な弁護士であれば、リスクを予測した的確な助言が期待できます。
弁護士費用が自社の予算に対して過大にならないか
顧問弁護士のメリットとして、長期的な事業計画を念頭に、自社の状況に合ったアドバイスを得られることが挙げられますが、これは、気軽に、継続的に相談ができること、すなわち一定の頻度で実のある情報交換ができることが前提となります。
この観点からすると、顧問契約の内容が、矢鱈にオプション料金が発生したり、野放図に慮金が増額加算されて行くようなものですと、予算的にも気軽に継続的な相談ができなくなります。
メリットを最大化するために、顧問契約の予算は、無理なく依頼を継続できるものであることを確認することが大切です。
顧問先を過度に拘束しないか
また、契約期間が長期であったり、中途解約にペナルティを課したりする、顧問先を過度に拘束する内容の顧問契約を結ぶ場合、弁護士が緊張感をもって顧問先に向き合わない傾向がもあります。
寧ろ、顧問契約に、試験期間・試用期間に関する条項や期間中の中途解約を自由とする条項を設けている弁護士・法律事務所は、良心的で真摯な対応をする場合が多いというのが実感です。
その他
余談ですが、会社が税理士との顧問契約を打ち切ったとところ、その税理士が税務署に脱税の疑いを通報し、それが契機となって税務調査が入った,という事案の相談を受けたことが複数回あります(いずれの会社でも、問題ある税務処理があったことを別の税理士から指摘され(だからこそ顧問税理士を変更したのですが)、対策を講じていたため、大きな痛手を被ることはありませんでした。)。
このような背信的な「意趣返し」をする税理士とは早く縁を切った方が良いのですが、「税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、申告納税制度の理念にそつて、納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ることを使命とする」税理士としては(税理士法1条)、顧客であった者の自身が関与した申告納税であっても、「独立した公正な立場」からの「納税義務の適正な実現」が優先しますから、脱税の疑いを通報することは正当化され得ることになります。
これに対し、弁護士の場合、「基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命とする」一方で(弁護士法1条1項)、「その職務上知り得た秘密を保持する権利を有し、義務を負う」とされますから(同法23条)、違法な事実を知り得た場合にも厳格な守秘義務が課されていますので、依頼者に不利な申告等をすることはありません。
すなわち、弁護士との顧問契約を解約しても、言葉は悪いのですが、秘密をバラサレたり、タレコミをされるようなことはありません。
まとめ
今回は、顧問弁護士の変更が可能かどうかや、顧問弁護士を変えるときの注意点などについて解説しました。
顧問弁護士の変更を希望することは、いつでも可能です。
新しい顧問弁護士をお探しの際には、当事務所への相談をご検討ください。
提供する基礎知識
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弁護士紹介
Lawyer
三堀 清
(みほり きよし)
弁護士の存在意義は、法律的紛争の予防・回避と、
発生した紛争の早期解決の実を挙げることに尽きます。
私どもは、一般民事・刑事事件の分野並び企業法務及び取引に関する分野での経験に裏打ちされた専門性と新しい法律問題にも斬新な手法をもって挑戦する柔軟性を武器に、迅速な対応により、依頼者の方々に結果をもってお応えすることを使命として、日々実務を通じた研鑽を進めております。
- 所属
-
- 第二東京弁護士会
- 経歴
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- 昭和32年 生まれ
- 昭和56年 早稲田大学法学部卒業
- 昭和60年 司法試験合格平成8年
- 早稲田大学大学院法学研究科(企業法務専攻)修了
- 平成9年 港区新橋に三堀法律事務所設立
- 平成14年 三洋投信委託㈱(現プラザアセットマネジメント㈱)監査役就任(平成16年まで)
- 平成15年 千代田区有楽町に事務所を移転
- 平成17年 ㈱ニチリョク監査役就任(平成29年まで)
- 令和6年 三堀法律事務所が丸ビル綜合法律事務所と合併
事務所概要
Office Overview
| 名称 | 丸ビル綜合法律事務所 |
|---|---|
| 所在地 | 〒100-6311 東京都千代田区丸の内2-4-1 丸の内ビルディング11階1111区 |
| TEL/FAX | TEL:03-3201-3604 / FAX:03-6206-3392 |
| 受付時間 | 平日 9:00~18:00(事前予約で時間外も対応可能です) |
| 定休日 | 土日祝、年末年始(事前予約で休日も対応可能です) |
| アクセス | 東京駅,二重橋前駅から徒歩2分 |
