M&Aを行うときに顧問弁護士が提供するサポート|流れも紹介
M&Aを行う際には、法務の専門知識が不可欠です。
他社との合併や買収を検討する場合には、会社の内情を深く理解している顧問弁護士に相談することで、的確なアドバイスを得られます。
今回は、M&Aを行う際に顧問弁護士が提供するサポートや、顧問弁護士と共にM&Aを進める際の流れなどについて解説します。
M&Aを行うときによくあるトラブル
M&Aの際によく発生するトラブルとして、以下が挙げられます。
デューデリジェンスの不足による「お荷物」の抱え込み
デューデリジェンス(Due Diligence)とは、適切な日本語訳がないのですが「買収監査」とか「適正評価手続」等と呼ばれ、M&Aを行う前に、対象企業や事業の価値やリスクを詳細に調査する調査することです。
これが不十分だと、優良であると判断していた買収対象の企業や事業が、(簿外)債務まみれであったり、不良在庫の山であったり、法的なトラブルの渦中にあることが発覚し、M&Aにより「お荷物」を抱え込み、自社の経営に悪影響を与えるリスクが高まります。
契約内容の解釈を巡るトラブル
M&Aの合意書における表現の曖昧さや、認識の齟齬が契約後にトラブルへ発展するおそれがあります。
特に、損害賠償・免責の対象や、表明保障の範囲について解釈が分かれることが多くなっています。
表明保障とは、当事者の一方が相手方に対し、特定の時点における自社の財務・法務・事業内容などの事項について、その真実性・正確性を表明し、保障する条項です。
従業員や取引先との関係悪化
M&Aによる経営陣の交代や経営方針の変更に対し、従業員が反発したり、主要な取引先が契約更新を拒否したりするトラブルは少なくありません。
法的な引き継ぎの手続きが不適切だと、組織の士気や対外的な信用を損ない、企業価値を低下させるリスクがあります。
M&Aを行うときに顧問弁護士が提供するサポート
M&Aを行うときに顧問弁護士が提供できるサポートは、次の通りです。
最適の方法を選択するためのアドバイス
「事業承継を弁護士に依頼するメリットとは?タイミングも紹介」の欄で、「社外の者に経営権をする承継するM&A」として、株式譲渡(会社法127条)、事業譲渡(同法467条)、合併(同法748条~)、会社分割(同法757条~)、株式交換(同法767条~)、株式移転(同法772条~)及び株式交換(同法774条の2~)といった様々な方法があることを紹介しました。
M&Aの計画立案のごく初期の、これらのうちのどの方法を選択するのかという段階から、顧問弁護士が関与するのが通常です。
デューデリジェンスによる対象企業の法的評価
デューデリジェンスは、専門のコンサルタント会社等が公認会計士・税理士のチームを動員して対象企業や事業所に乗り込んで収集したデータを分析するのが一般的で、顧問弁護士が単独で手掛けるレベルではありません。特に中小企業が、たまにしか実施されることがないM&Aのデューデリジェンスに対応できるだけの弁護士・公認会計士・税理士のチームを顧問として抱えるということは現実的ではありません。
しかし、デューデリジェンスは一般にカネの流れのチェックを偏重する傾向があり、法的なリスクについては(現実に訴訟等が継続していない限り、)等閑視されてしまう例も少なくありません。
このため、顧問弁護士は、対象企業から開示された過去の契約関係や係争案件に関するデータを法的観点から精査してリスクを評価するという重要な役割を担い、更に、より大局的に、実施されたデューデリジェンスに抜けがないかをチェックすることにより、買収後の法的トラブルを未然に回避できる可能性を高めるという役割を担います。
M&Aの手続が不適切かつ強引に行われないように監視
これも「事業承継を弁護士に依頼するメリットとは?タイミングも紹介」の欄で、「M&Aにおいて利益が最大化するためのサポートが受けられる」として、M&Aの仲介を手掛けるコサルタント会社やシンクタンクが、手数料を早く確実に得ようとして、強引に手続を進めがちであるということを述べました。
そもそも、M&Aは、複雑な法的手続きをスケジュール通りに行うことが求められますが、先を急ぐような強引な手続の進行は、重要な問題を糊塗し、最悪の場合、M&Aをした目的に反する結果となります。
顧問弁護士は、M&Aの手続が不適切、強引に行われることを監視することにより、適正なM&Aの実現をサポートします。
統合(PMI)に向けた法的なアドバイス
M&Aは成約して終わりではなく、成約後の経営統合、業務統合及び意識統合からなるPMI(Post Merger Integration)という統合プロセスを経なければなりません。
顧問弁護士は、統合の過程で発生する就業規則の変更や、取引先との再契約について法的な観点からアドバイスを行います。
顧問弁護士と共にM&Aを進める際の流れ
M&Aを適法かつ効率的に進めるためには、以下のような手順を踏むことが重要です。
顧問弁護士への相談
M&Aを検討する際には、まず顧問弁護士に方針を伝え、先ずどのような方法を選択するのか、対象企業とのM&A自体に法的な障害がないか等を相談することが第1歩です。
また、この段階で法務デューデリジェンスの方針を決定することは、法的なリスクを回避するために欠かせません。
対象企業との基本合意
対象企業と交渉を開始するのと並行して、情報漏洩を防ぐための秘密保持契約を結んだうえ、デューデリジェンスを実施します。
情報の開示とデューデリジェンスの結果を踏まえつつ、代表者同士の話し合いが完了したら、基本的な条件についての合意を証明する基本合意書の作成へと移ります。
この段階で、顧問弁護士は、秘密保持契約書及び基本合意書の作成とデューデリジェンスの結果の精査にあたります。
最終的な条件交渉
基本合意書の作成後、さらに詳細な条件についての交渉を行い、契約書を作成しますが、その過程での細かい合意事項のリスク判定は不可欠であり、顧問弁護士は、条件交渉や契約書の作成に際して、依頼人に最大限有利となるようにサポートします。
契約締結後の継続的なサポート
契約締結後、いよいよM&Aが成就してからの統合(PMI)の過程は、極めて重要な工程のひとつです。
組織体制の再編や就業規則の統一などを行う統合期には、法的なトラブルが起こる可能性が高いといえます。
顧問弁護士は継続的なサポートを提供し、安定的な経営体制の構築に尽力します。
まとめ
今回は、M&Aを行うときに顧問弁護士が提供するサポートや、流れについて解説しました。
顧問弁護士は、M&Aにおいて、簿外債務の発見漏れなどといったリスクを最小限に抑えるためのサポートをいたします。
交渉を有利に進めたり、成約後の統合(PMI)を円滑に進めるためにも、顧問弁護士に相談することは効果的です。
顧問弁護士をお探しの方は、当事務所への相談をご検討ください。
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三堀 清
(みほり きよし)
弁護士の存在意義は、法律的紛争の予防・回避と、
発生した紛争の早期解決の実を挙げることに尽きます。
私どもは、一般民事・刑事事件の分野並び企業法務及び取引に関する分野での経験に裏打ちされた専門性と新しい法律問題にも斬新な手法をもって挑戦する柔軟性を武器に、迅速な対応により、依頼者の方々に結果をもってお応えすることを使命として、日々実務を通じた研鑽を進めております。
- 所属
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- 第二東京弁護士会
- 経歴
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- 昭和32年 生まれ
- 昭和56年 早稲田大学法学部卒業
- 昭和60年 司法試験合格平成8年
- 早稲田大学大学院法学研究科(企業法務専攻)修了
- 平成9年 港区新橋に三堀法律事務所設立
- 平成14年 三洋投信委託㈱(現プラザアセットマネジメント㈱)監査役就任(平成16年まで)
- 平成15年 千代田区有楽町に事務所を移転
- 平成17年 ㈱ニチリョク監査役就任(平成29年まで)
- 令和6年 三堀法律事務所が丸ビル綜合法律事務所と合併
事務所概要
Office Overview
| 名称 | 丸ビル綜合法律事務所 |
|---|---|
| 所在地 | 〒100-6311 東京都千代田区丸の内2-4-1 丸の内ビルディング11階1111区 |
| TEL/FAX | TEL:03-3201-3604 / FAX:03-6206-3392 |
| 受付時間 | 平日 9:00~18:00(事前予約で時間外も対応可能です) |
| 定休日 | 土日祝、年末年始(事前予約で休日も対応可能です) |
| アクセス | 東京駅,二重橋前駅から徒歩2分 |
