リーガルチェックとは?契約書チェックの重要性を解説
企業が取引を行う際、相手方企業と取引の内容に関する約束事を取り決めて契約書という書面に落とし込みます。
契約書の作成には、取引の対象となる商品や役務(サービス)の種類、数量、納品・提供の条件、継続的な契約関係であればその期間等の取引の内容を特定しなければなりません。
取引の内容が特定できたら、より詳細に合意事項・約束ごとを条項化して契約書の案を作成します。
以下、契約書のリーガルチェックの重要性について解説します。
契約書のリーガルチェックとは
一般的に、契約書のリーガルチェックとは、特定の法律行為・取引に関する契約条項を審査することと考えられています。これは、契約書に定められた契約条件、リスク対応及び責任分担等を自社に有利にするべく、その最適化を図る狭義のリスクマネジメントの一環と捉えられます。
しかしながら、契約書のリーガルチェックとは、より本質的に、企図された特定の法律行為・取引自体が適法性・公正性を審査・評価するというコンプライアンスの実践そのものです。これは、契約書作成の前提となる企業活動それ自体が法令で要求される資格要件を欠いていたり、規制を逸脱・潜脱していたり、ステークホルダー(利害関係者)の犠牲を強いたりしていないか、企業としての社会的責任から逸脱していないか等を検証することに他なりません。
契約書チェックを行う重要性
先述のとおり、契約書のチェックとは、第一義的には、契約書の前提となる法律行為・取引の適法性・公正性・社会的妥当性を確認し、第二義的には、個々の条項が法令に違反していたり、不利益をもたらす内容であったり、解釈上の疑義が生じて思いもよらぬ不利益や紛争の元となるリスクの有無を判定することです。
特に、相手方や仲介者が用意した契約書を使用する場合、意図的か否かは別として、そもそも違法な内容であったり、自社に不利な条項が盛り込まれたりしていることが少なくありません。
そのうえ、企業間の契約は1度締結すると後から内容を覆すことが困難であるため、締結前の慎重な確認が重要となるのです。
最新の法令に適した内容になっているか確認できる
法律は社会情勢に合わせて改正が繰り返されており、数年前の契約書の雛形がそのまま通用するとは限りません。
労働関係の法律では、令和7年に、労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の安定に関する法律(労働施策総合推進法)、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(男女雇用機会均等法・均等法)、労働安全衛生法が改正され、経済関係の法律では、令和6年に特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(フリーランス保護法)が制定され、令和7年に製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律(中小受託取引適正化法・取適法)が改正されており、契約締結の時点で施行されている最新の法令に照らしてリーガルチェックを行い、その契約書が有効であるかを確認する必要があります。
法改正に対応していない契約書を使用し続けることは、法的な効力が認められない条項を作ってしまう原因となりえます。
そのため契約書を見直すことは非常に重要であるといえるでしょう。
強行規定に反する条項がないか確認できる
法律には、契約当事者間の合意があっても排除できない強行規定というものが存在します。
経済的に立場の弱い当事者を保護するための法律として、先述の労働関係の法律や経済関係の法律が挙げられますが、これらの条項の多くはいわゆる強行規定で、これに違反する内容の契約を結んだ場合、その条項は法律によって無効とされるだけでなく、そのような事実が公になると企業の社会的評価を大きく損なうこととなります。
特に、営業の現場では、当事者間の力関係の差が投影された合意がなされることが多く、そのような合意が結果的に強行規定に反していることがありますが、このような合意内容=条項を早期に発見し、適法な内容へと書き換えることは、企業として正しいコンプライアンス体制を維持するために重要といえます。
不利益条項が含まれているか確認できる
契約書には、相手方が自社に有利になるよう、不公平な条項が盛り込まれていることがあります。
例えば、損害賠償の範囲を不当に広げたり、逆に損害賠償責任を不当に免れたりする条項や、一方的な解約権を認めたり、逆に長い有効期間を設定して契約関係からの離脱を認めない条項を見逃して契約すると、トラブルの際に大きな不利益を被るという事態になりかねません。
リーガルチェックを行うことによって、自社にとって不利益となる条項を見つけ、不利な条件を適正なバランスへと修正するよう交渉することで、対等な立場で取引を行う環境を整えることができます。
取引の内容に合っている契約になっているか確認できる
契約書は、締結しようとしている取引の内容を正確に反映している必要があります。
使用した雛形が、実際の取引の実態と噛み合っていないと、思わぬ解釈の相違を生みます。
以下の項目が、事前の話し合いの通りに記載されているかを確認することは重要です。
- 納期の定めや支払条件
- 納入される物品やサービスの品質の基準
- 納品、検品・収納のルールと不良品があった場合の取扱い
- 契約の有効期間
また、契約書の用語の定義が曖昧であると、その解釈の齟齬がトラブルの原因となります。
リーガルチェックを通じて、契約書が実際の取引の実態を正確に反映しているか、認識の齟齬がないかを精査できます。
契約書のリーガルチェックは弁護士に依頼すべき
契約書のリーガルチェックを自社のみで行うことには限界があります。最新の法令の解釈や過去の判例を前提としたその作業は高度な専門性を要することは言うまでもありません。
更に、強力な法務部門を有する企業であっても、契約書のリーガルチェックを弁護士に委託する例が多くありますが、これは、弁護士こそ、社内のセクショナリズムや担当者の保身、思い込み等による判断の偏りを排し、法令からの乖離や不利益条項を適切に指摘し、修正のアドバイスを行うことができるからに他なりません。
まとめ
今回は、契約書のリーガルチェックの重要性について解説しました。
リーガルチェックは、企業が法律行為・取引を行うとき必ずするべきといって過言ではないほど重要なものです。
自社の判断で不利益条項を見落とし、契約を結んだ場合、後々大きな損失につながることがあります。
将来のトラブルや紛争リスクを下げるためにも、企業間取引の契約書などのリーガルチェックは弁護士に相談することを検討してください。
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三堀 清
(みほり きよし)
弁護士の存在意義は、法律的紛争の予防・回避と、
発生した紛争の早期解決の実を挙げることに尽きます。
私どもは、一般民事・刑事事件の分野並び企業法務及び取引に関する分野での経験に裏打ちされた専門性と新しい法律問題にも斬新な手法をもって挑戦する柔軟性を武器に、迅速な対応により、依頼者の方々に結果をもってお応えすることを使命として、日々実務を通じた研鑽を進めております。
- 所属
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- 第二東京弁護士会
- 経歴
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- 昭和32年 生まれ
- 昭和56年 早稲田大学法学部卒業
- 昭和60年 司法試験合格平成8年
- 早稲田大学大学院法学研究科(企業法務専攻)修了
- 平成9年 港区新橋に三堀法律事務所設立
- 平成14年 三洋投信委託㈱(現プラザアセットマネジメント㈱)監査役就任(平成16年まで)
- 平成15年 千代田区有楽町に事務所を移転
- 平成17年 ㈱ニチリョク監査役就任(平成29年まで)
- 令和6年 三堀法律事務所が丸ビル綜合法律事務所と合併
事務所概要
Office Overview
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| 定休日 | 土日祝、年末年始(事前予約で休日も対応可能です) |
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